| 解 説「マグマ大使」は、手塚治虫原作により少年画報に連載されていたSF漫画である。
 第1話は、昭和41年7月4日に放映され「ウルトラマン」よりも2週間早く国産初のカラー特撮TV映画となった。
 第一次怪獣ブームに於いてその人気を「ウルトラマン」と二分した。
 1話完結の「ウルトラマン」に対し4話完結の「マグマ大使」は手塚治虫の原作を生かしつつ独自の怪獣特撮映画の世界を展開し子供の心を掴んでいった。
 ストーリー 数々の星を侵略し、支配してきた宇宙の帝王ゴアが、ついに地球にもその魔の手をのばしてきた。地球創造の神アースは、地球を侵略者から守るため、黄金のロケット人間マグマ大使を生み出した。
 マグマには、妻のモルと息子のガムがいる。
 マグマは勇敢な少年、村上マモルに超音波の笛を渡し、1回吹けばガム、2回吹けばモル、3回吹けばマグマ大使が助けにいくことを教えた。
 マモルに呼ばれたマグマ大使たちはゴアの送り込む凶悪怪獣や人間モドキと戦う。
 登場人物
 マグマ大使/アースが、宇宙の帝王ゴアから地球を防衛するために造りあげられたロケット人間
 
 アース/地球創造の神。地球防衛のためマグマ、モル、ガムを造り出した。太平洋上の火山島で地球の平和を監視している。
 
 モル/マグマの妻。銀色のロケットに変化巨大化はしない。戦闘時に頭のフードを着用する。
 
 ガム/アースがマモル少年をモデルに作ったマグマの息子。
 
 村上マモル/マグマ大使達と共に地球を襲う敵と勇敢に戦う少年。
 
 村上記者/マモルの父でVIP通信社の敏腕記者。
 
 ゴア/地球征服の野望に燃える宇宙の悪魔。
 
 そのほか、マモルの母・木田記者・デスク等のレギュラーも登場します。
 
        
          
            |  | マグマ大使 身長7メートル 体重5トン 頭部のアンテナから熱光線 腹部からロケット弾を出す。 必殺技は、敵の回りをロケットとなって高速回転しジェット気流を作り出し攻撃する。
 モル(左)ガム(右)も同じような能力を持っているが、パワーが数段マグマとは違うようだ。
 |  特撮TV映画マグマ大使マグマ大使は元々は、動画プロダクションであるピープロダクションが制作しているため、ウルトラマンのオプチカル合成とは違うアニメーションで各部分が処理されている。
 ゆえに当時の技術ではカバー出来なかった腹部からのロケット弾などは今見ても充分納得の行く作りになっている。
 また、マグマがロケットから人間形に変形するシーンは、観たものに違和感なく受けいられるように作られているのは素晴らしいと思う。
 実際に今の技術でモーフィングさせたりして変形させたら逆に無理があっておかしいのではないでしょうか?
 
        
          
            |  | マグマ大使のロケット弾 丁寧に書き込まれたアニメーションは下手な実写で作るよりもよりリアリティーを感じさせられる。
 |  マグマ大使の造型造型は 開米栄三氏・照井栄氏の2名の造型師によって作られたようである。
 パイロット版ではマグマ大使の顔は、金粉を塗った俳優さんによって行われたが、やはり可笑しいと言うことで俳優(魚住鉄也さん)の顔をモデルにマスクが作られた。
 初回の頃は、マスクも耳までだったようで、風でマグマの髪がなびかされた時、耳が見えてしまうシーンが何度かある。
 その後は、改良されたようである。全体的にみて、マグマ大使はどっしりとした体型で、手はグローブのようである。
 その重量感が、マグマ大使らしさでありウルトラマンと違う魅力だったのかも知れない。
 マグマ大使の顔もおもちゃにするのが難しいのか、GR同様出来の良いものが見当たらない。
 やはり、クラウン模型から出ていたが、ムムムッな出来であった。
 まだ、ガレージキットでも良いものをあまり見たことが無いので、どうかメーカーさん頑張って作ってみてください。
 
 ロケットもまたカッコイイ! 
        
          
            |  | 金のロケットマグマ大使 銀のロケットモル 白に赤、青のガム、どれも実にシンプルなデザインであるが、カッコよく仕上がっている。 ガムのロケットだけは、実物大の物が作られている。
 そのロケットも大変よく出来ていて本当にガムはロケットに変身したのか?と思える出来である。
 |  ドラマは外国風マグマ大使に限らず、この時期の作品は外国へ売り込むためにキャストにも気を使ってあるようだ。
 ファンファンこと岡田真澄さんも外人の顔だし、イーデス・ハンソンさんを記者にする所などは、輸出を目的としてのキャスティングが伺える。
 でも本当に岡田真澄さんってかっこいいですねービデオを見返して改めて感じました。
 マグマ大使の音楽
 
 音楽は山本直純氏が担当されている。
 当時はCMソング等を多く手がけられ中でも「大きいことはいいことだ!」の森永エールチョコレートのCMは誰もが知っている。
 マグマ大使の音楽でも主題歌はもちろんのことだが、ガムの歌は本編ではかかる事はなかったが、BGMとして多用されこの音楽を聴くとガムの活躍が目の前に浮かんでしまう。
 また、ゴアのテーマともいえるBGMは(♪ジャージャッチャチャラララー)悪役ゴアと人間モドキの会話するシーンによく使われて番組の雰囲気を盛り上げていた。
 マグマ大使の戦い方
 
 唯一、マグマ大使で残念だったことは、格闘シーンだと私は思う、ウルトラマンは体当たりの肉弾戦、キック、パンチといった格闘らしい戦いをするのに対し、
 マグマは取っ組み合いをするだけでスマートな戦いはなかった。
 縫いぐるみの特性で出来ないのもわかるが、当時ウルトラマンと比較してみるとその辺が少し残念だ。
 
 提供はロッテ
 この当時の番組は、今とは違いほとんどが、単独提供で、「マグマ大使」も例外なく、お菓子メーカーが提供に付いていた。
 ガムの名前もロッテの提供がゆえにつけられた名前である。
 ところで、ロッテの「マグマ大使」や明治製菓の「鉄腕アトム」、グリコの「鉄人28号」等は提供について売り上げに影響があることは間違いないと思うが、
 武田薬品「ウルトラマン」や田辺製薬「忍者部隊月光」、藤沢薬品「風のフジ丸」等の製薬会社の単独提供の意味はどんな理由があったのだろうか?
 詳しく知っている方がおられましたら教えて下さい。
 しかしながら単独提供の場合当時、最後にコマーシャルを焼き付けてしまっているから再放送のときに色々苦労していたみたいです。
 
 
  今ではカットされているCMの部分だけ聞いてみてください。 
 
 
        
          
            |  | 当時、マグマ大使ガムに当たりが付いていたら、「パンチマグマ」なる商品がもらえました。 よく当たりが出ていたので、大抵の人は持っていたんじゃないかと思いますが、下に付いているばね付の板を押し上げると、ゴムがゆるんでカタカタと揺れる(観光地のみやげものやに動物の奴があるじゃないですか!)遊んでいてもすぐに飽きてしまうようなものでしたが、当時マグマ大使の造形物を手に入れる事が出来たのは、たぶんこれくらいのものしかなくて、マグマの角が折れてゴムは切れてバラバラになったものを接着剤でくっ付けていました。相手役のストップゴンはバラバラのまま遊んでいましたけど。(その方がリアルでしょ)
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            |  | ゴアには声を担当されていた大平透氏本人が縫いぐるみを着ていたそうだ、秋田文庫の後書きに大平透氏の解説があるので、抜粋して掲載します。 −−−当時若かった私には、それが我慢ならなかった。そこで恐れげもなく監督に申し出た。「こんなあてぶりのような演技に、私は声をアテることは出来ません。
 声のみのギャラでいいですから私を縫いぐるみの中に入れて下さい」−中略−実際に縫いぐるみに入ってシマッタ!と思った。
 いやァそれは想像を絶する地獄なのである。日本で初のカラーTV映画だけに、白黒映画の3倍のライトを浴びねばならず、その暑さといったら、灼熱地獄といっても過言ではない。−−−
 |  マグマ大使の疑問? マグマ大使の身長は7メートルとなっているが、怪獣の身長は、アロンが50メートルモグネス80メートルになっているがマグマ、怪獣と組み合っている姿を何度も見ているけど身長差はどうなっているのでしょうか?一部の資料では変身後は、戦う敵の大きさに合わせて巨大化すると、書かれているので納得はするが、昔の雑誌には7mと書かれていたので、子供のころマグマ大使は、ウルトラマンより小さいんだなぁでも、ストップゴンは、奈良の大仏殿を壊していたけど・・マグマと組み合っていたのに????なんでなのかなーと、いつも疑問に思っていた。
 そんな説明、画面では一度もなかったし、ちょと不親切、誰も疑問に思わなかったんでしょうか?
 ガムの誕生の話友人の一人が本当に信じていた話、「アースさま、私達に子供を作って下さい。」のマグマの言葉に、アースは「よかろう!モル!こちらへ来なさい。」
 岩陰へ連れて行き激しい物音、少したってアースがガムを連れてくる。モルは恥ずかしそうに下を向いている。って・・こらーァ!話を勝手に変えるな!
 ちなみに、マグマの問いにアースは「夫婦がいて子供がいないのも寂しかろう、よし作ってやろう、坊やこちらへ来なさい!ちょっと君の体を借りるよ。」と言ってマモルをコピーしてガムは作られたのです。
 
 原作 マグマ大使今回、このHPを作るにあたり、原作本を読んでみた、さすがに手塚治虫先生の作品であり冒頭の箇所などそのまま絵コンテになっているようだ。
 マグマ、アース、ゴアの関係は原作通りに話が進められていたことがよくわかる。
 しかし、TVとは違う点は話が怪獣中心の話でなく、マグマ、アースとゴアの戦いのストーリー展開になっている。
 文庫裏の初出誌の日付を見るとTVよりも2ヶ月早く連載が始まり、半年前に終わっている。
 自分も当時の少年画報を読んだ記憶はあるが、TVと連載の同時進行は少なからず、苦労があったと思われる。
 マグマ大使の原作の最後は、宇宙創造の神カオスが、アースとゴアの部下を戦わせどちらか勝った方が、地球をものに出来ると提案した。
 マグマ大使とブラックガロン(手塚作品レギュラー)の戦いで終了する。
 SFなのだけどどこかファンタジーの世界を感じさせる作りは、TV作品マグマ大使にも反映されている。
 秋田文庫 全2巻興味のある人は今ならどこでも手に入るので読んでみて下さい。
 余 談
 
 人間もどき 気持ち悪かったですよねー光線で「グオー」っと解ける姿が、黒いゲロみたいで。
 
 ゴアは円盤の中の扉を通れない、肩の角?が邪魔して必ず扉を通る時フィルムがカットされている。
 
 ガムが突然変わる、17話から急にガムが吉田次昭君に変わるそれもガムをアースが人間の子供にしてしまう話の時に、二宮秀樹君のかわいいいガムの人間の姿を見たかったのに、
 ちょっとひねた(失礼)ガムの人間の姿に当時は目を疑ったものだった。(なにかの病気で代役をたてたそうです)21話からは復帰。
 
 
 ●世の中には興味の無いことにはまったく分らないのか?よく聞く話で、マグマ大使とジャイアントロボの区別がつかないという人の話をよく聞きます。
 この機会に比べてみてください。こちらがマグマで、前回、特集したのがジャイアントロボです。
 ちなみにうちの弟の嫁さんは、ウルトラマンとウルトラセブンの区別がつかないという。
 興味のない人はそんなものなんでしょうね。
 
 ついに2015年9月30日「マグマ大使」Blu-ray BOX(初回限定版)
  発売。 
 マグマ大使関係の商品はこちらも参考にしてください。
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